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印鑑の種類と選び方の図鑑

実印のサイズに「男性用・女性用」の決まりはない

実印とは、市区町村に印鑑登録した印鑑のことです。特定の形や商品そのものを指す名称ではなく、登録を受けることで、その印鑑が実印として扱われます。

結論からいうと、個人の実印を男性用・女性用に分ける規定はありません。確認した自治体の規定にあるのは、印影の大きさの上下限や、使用できる文字、材質、輪郭などの条件です。

印鑑店や通販サイトで見かける男女別のサイズは、販売側が示す目安や慣行であり、登録できるかどうかを決める基準ではありません。目安に従っても従わなくても、上下限とその他の要件を満たしていれば登録できます。逆に、目安どおりのサイズであっても、要件を満たさなければ登録できません。実印のサイズを選ぶときに確認すべきなのは、性別ではなく、登録先となる市区町村の印鑑登録要件です。

個人の実印は市区町村ごとに登録要件を確認する

個人の印鑑登録は、市区町村の条例に基づく制度です。そのため、登録できる印鑑の条件には自治体ごとの差があります。

2026年8月15日時点で確認した松山市と富士市では、印影の大きさについて次の上下限が設けられています。

  • 一辺8mmの正方形に収まるものは登録できない
  • 一辺25mmの正方形に収まらないものは登録できない

言い換えると、確認した2自治体では、印影が「一辺8mmの正方形に収まらない大きさ」であり、かつ「一辺25mmの正方形に収まる大きさ」であることが必要です。数値で簡略化すれば、8mm超から25mm以内の範囲となります。

ただし、これは松山市と富士市の規定を確認した結果です。全国すべての自治体で条件が同一だと断定することはできません。

自治体による細部の違いもあります。たとえば富士市では、印影の上下限に加えて「印鑑の長さは2cm以上」という条件があります。一方、確認した松山市の案内には、この条件の記載はありません。

この違いからも、サイズ表だけを見て購入を決めるのではなく、実際に登録する市区町村の公式情報を先に確認する必要があると分かります。

出典:松山市「印鑑登録」富士市「印鑑登録できる印鑑」

「男性用・女性用」のサイズは登録要件ではない

松山市と富士市の規定には、男性と女性で印鑑の大きさを分ける条件はありません。後述する法人の届出印に関する商業登記規則にも、男女による区別はありません。

したがって、販売店などが示す「男性向け」「女性向け」という分類に従わなければ登録できない、ということではありません。登録の可否は、男女別の慣行ではなく、自治体が定める上下限やその他の条件によって判断されます。

サイズについて迷った場合は、次の順序で確認すると整理しやすくなります。

  1. 登録する市区町村の公式サイトで「印鑑登録」のページを探す
  2. 印影の最小・最大サイズを確認する
  3. 印鑑そのものの長さなど、自治体固有の条件がないか確認する
  4. 文字、材質、輪郭について登録できない条件を確認する

サイズ内でも登録できない印鑑がある

印影が指定された大きさに収まっていても、それだけで登録できるとは限りません。松山市と富士市では、サイズ以外にも複数の条件が示されています。

文字や図柄に関する条件

松山市では、登録氏名以外の文字を使用した印鑑や、絵・マークなど氏名以外の要素がある印鑑は登録できません。龍紋、唐草模様、家紋、ローマ字などを輪郭として組み合わせたものも対象外です。

富士市でも、資格、職業、装飾柄など、氏名以外の文字が入ったものは登録できないとされています。

一方、富士市では、住民票に記載された氏名、氏、名、旧氏またはその組み合わせのほか、「之印」「の印」「之章」「章」を氏名の後に加えたものも登録可能です。外国人住民については、氏名のカタカナ表記や通称名も使用できます。

材質や印影に関する条件

確認した自治体の案内をまとめると、次のような印鑑は登録できません。

  • ゴム印など、変形しやすいもの
  • インク補充型のもの
  • 印影が不鮮明で、文字を判読できないもの
  • 枠がないもの
  • 輪郭や枠が大きく欠けているもの
  • 欠けや摩耗によって判別が難しいもの
  • 絵やマーク、装飾柄などが含まれるもの
  • 指輪印
  • 同一世帯員がすでに登録している印鑑と同じ印影のもの
  • 機械彫りで同一印影が多いもの

欠けに関して、富士市では「枠が4分の1以上欠けているもの」と具体的に示されています。松山市では「輪郭のない・著しく欠けているもの」と記載されています。この点にも自治体ごとの表現の違いがあります。

松山市では登録できる人や手続きにも条件がある

松山市で印鑑登録ができるのは、松山市に住民登録がある人です。ただし、15歳未満の人と意思能力を有しない人は除かれます。登録できる印鑑は1人1個です。

本人が申請し、マイナンバーカードや運転免許証などの顔写真付き身分証を提示できる場合は、即日登録が可能です。代理申請では、本人自筆の代理権授与通知書と代理人の身分証が必要になります。

登録手数料は300円です。印鑑登録証明書を取得する場合は、別途1通につき300円かかります。

これらは松山市の例であり、登録できる人や必要書類、手数料についても、実際に登録する市区町村の案内を確認する必要があります。

法人の実印は個人とサイズ規定が異なる

法人が法務局へ届け出る印鑑には、個人の印鑑登録とは別の規定があります。

商業登記規則第9条(2026年8月15日時点のe-Gov法令検索の記載)には、次のように定められています。

印鑑の大きさは、辺の長さが一センチメートルの正方形に収まるもの又は辺の長さが三センチメートルの正方形に収まらないものであつてはならない。

つまり、法人の届出印は、一辺1cmの正方形に収まらず、一辺3cmの正方形には収まる大きさが必要です。簡略化すると、1cm超から3cm以内となります。

区分下限上限根拠
個人の実印一辺8mmの正方形に収まるものは不可一辺25mmの正方形に収まらないものは不可各市区町村の要件(松山市・富士市で確認)
法人の届出印一辺1cmの正方形に収まるものは不可一辺3cmの正方形に収まらないものは不可商業登記規則第9条

個人と法人では対象となる制度も数値も異なるため、混同しないよう注意が必要です。

出典:e-Gov法令検索「商業登記規則(昭和39年法務省令第23号)第9条」

最後に確認するのは男女別の目安ではなく自治体の条件

実印のサイズを男性用・女性用に分ける規定は、確認した松山市、富士市、商業登記規則のいずれにもありません。販売側の男女別サイズは登録要件ではなく、登録の可否を左右するのは、印影の上下限や文字、材質、輪郭などの条件です。

個人の印鑑登録は自治体によって細部が異なります。実印を用意する前に、自分が住民登録している市区町村の公式サイトで「印鑑登録」のページを確認してください。

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